「情報モラルの向上」研究に関する調査研究委託事業

■ 事業の趣旨

 平成18年度に本校は、群馬県教育委員会により「情報モラルの向上」研究委託事業研究協力校に指定されました。

 この事業の趣旨は、

「情報モラルの向上」研究委託事業研究協力校において、地域・学校の歴史や実態を踏まえ、情報化社会の現状に対する認識と将来への展望を持ち、情報化社会に生きる力を培い、ネットワワーク等の情報技術を健全に活用できる児童生徒の育成を推進する実践的研究を行い、その成果を県内に広く発信するため、研究協力校を指定し研究事業を委託する。
(群馬県教育委員会)

ものです。

 本校では、この指定を受け、校内研修と平行させながら、以下の取り組みを行いました。


研究テーマ


情報を適切に活用し、思いを的確に表現できる児童の育成


取り組みの概要

■ テーマ設定の理由

 成熟する知識基盤型社会では高度通信ネットワーク(インターネット)でのコミュニケーションの比重が増大し、子供たちもインターネットから切り離された社会で生きることはできない。

 しかしながら、安全に配慮された地域や学校の中とは異なり、インターネットは”実社会”そのものであり、「影」の部分を無視することはできない。子どもたちには、より高い判断力や責任が必要とされており、日常のモラルとは異なる「情報モラル」についての指導がきわめて重要となってきている。

 そこで、本校の校内研修テーマである「自分の思いを的確に表現できる児童の育成」と連携し、授業を通して適切なコミュニケーション能力を高め、情報社会へ参画する態度を育成したいと考え本テーマを設定した。

■ 校内研修のとの関連

 本校では、平成17年度より教科「国語」に重点を置いた研修を進めてきている。17年度では、コミュニケーションの基盤をなす「国語科」の授業での[話す・聞く][書く][読む]各活動において表現力の育成をめざす授業改善を図ってきた。18年度は「書く」活動に焦点を絞って「自分の思いを的確に伝える」手だてのあり方を研究してきた。(19年度は「読解力」を育てることをねらいとした、「説明文における言語に着目した授業づくり」をテーマとし全校で取り組んでいる。)

 17年度末の時点で18年度も継続して校内研修を教科「国語」を中心に進めることが決まっていた。そこで、校内研修と情報モラルの向上に向けた研修を、どう位置づけるかが課題となった。

 ところで中央教育審議会や文化庁の文化審議会では、「国語力」はすべての教科の基本となるものであり,その充実を図ることが重要であると提唱している。国語力の内容には、思考力・読解力・表現力などが含まれており、学校教育においては、教科「国語」としてのみ扱うのではなく、すべての教科において扱われなければならないものである。この国語力の中心的なものとして「読解力」があげられる。

 今話題となっているPISA型「読解力」は、「受信する→考える→発信する」というプロセスを対象としている。これからの時代に求められる学力は、得た知識を基に、それをいかに生きた学力としてネットワーク化を図るかということである。

 そこでは「考える」ことが中核となり、それを他者にいかに伝えていくか、が問われている。この一連のプロセスこそがPISA型「読解力」といえる。

□ PISA型「読解力」の定義
「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」
[読解力向上プログラム(文部科学省)]

 この「読解力」は、これからの日本の教育において、学力の中心的な位置を担うものである。 また、PISAが示した「リテラシー」という学力は、これからの国際社会で必要となるグローバルスタンダードとしての学力でもある。

□ 学校での取組〜3つの重点目標〜
【目標@】テキストを理解・評価しながら「読む力」を高める取組の充実
@テキストの内容や形式などの「解釈」や「理解・評価」する取組の充実
A「建設的な批判を伴う読み(クリティカルリーディング)」の導入
[読解力向上プログラムの全体像(文部科学省)]

 この力はメディア・リテラシーに通じるものである。

□ メディア・リテラシーの定義
「情報メディアを批判的に読み解いて、必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと」

 まさにこのメディア・リテラシーを身につけさせることが「情報モラルの指導」に他ならない。

■ 情報モラルの捉え方

 本校では「情報モラル」を次のように捉えた。

「情報社会で適切な行動を行うための基となる考え方や態度(情報社会の中で加害者や被害者にならないための考え方や態度)」

 「〜はいけない、〜してはいけない」などと、対処的なルールやマナーを教えるだけでなく、情報社会において基本的に大切にする考え方を正しく理解し、情報活用により生じた新たな場面において正しい態度がとれるようにしたいと考えた。

□ 情報モラルの定義
「情報社会において適正な活動を行うための基になる考え方と態度」
[「新・情報教育の実践と学校の情報化−情報教育に関する手引きー」(文部科学省)]

■ 情報モラルの指導

■ 情報モラルの指導で育む考え方や態度

■ 組織

  [校長・教頭] − [情報教育主任] − [研修主任(国語)] − [各学年]

■ 取り組み

□ 情報モラルに関する教育課程の編成・実施

□ 情報機器の環境整備

□ 個人情報等の管理・運営

□ 保護者との連携・協力


成果と課題

■ 研究の成果

■ 今後の課題


参考資料

ぐんまIT活用ガイド 教育の情報化をめざして
−モラル・セキュリティ編−


群馬県教育委員会
学校における情報モラル指導資料集

群馬県総合学習センター
「情報モラル」指導実践キックオフガイド

平成18年度文部科学省委託事業
『情報モラル等指導サポート事業』
“情報モラル”授業サポートセンター

財団法人 コンピュータ教育開発センター(CEC)